ワゴン弁当VS。飲食店 仁義なき戦い
2009/12/19 10:00 日刊ゲンダイ●サラリーマンの財布を直撃
サラリーマンの昼メシがピンチだ。東京・中央区などが弁当の「ワゴン販売」への監視指導を強化しているのである。
ワゴン車などの業者は自治体から鑑札を受けてお手製の弁当を街頭で売っている。鑑札があればほかの区で売ることも可能だが、一定の場所での“客待ち”は禁止。客に商品を渡すとき以外は移動していなければならないという決まりになっている。
中央区保健課は監視強化について「一般の飲食店からの苦情もあり、業者に“客待ちはダメ”と呼びかけています」と説明する。
港区や千代田区も監視を厳しくしているが、そのきっかけは飲食店から行政にかなりの苦情が寄せられたこと。
「レストランなどがワゴン業者に“ここで商売するな”と圧力をかけているのです」と言うのはフードジャーナリストの、はんつ遠藤氏だ。
「レストランや洋食屋、牛丼屋などはお客をワゴン車に食われているため、以前から彼らを排除して欲しいと行政に要請していた。それがこの大不況のせいで、より強くクレームをつけたのです。その背景には不況の深刻化で自宅から弁当を持参するサラリーマンやOLが増え、“外食”する人が減ったことがある。ワゴン業者は家賃を払わなくていい分、弁当の中身を豪華にできる。価格は250円からで、おかずはコンビニ弁当などより最低でも2品多く、ご飯も大盛り。サラリーマンから圧倒的な支持を受けています」
現在、中央区だけで1000を超えるワゴン業者がいるという。
「ワゴン業者はいろんな種類の弁当があるのが魅力。最近の1番人気は300円前後の幕の内弁当で、次がカレーライスやオムライス、親子丼、カツ丼など。監視が強化されると、少ない小遣いでお手製弁当を食べている人が楽しみを奪われることになります」(遠藤氏)
不景気の中、行政はさらにサラリーマンを追い詰めようとしている。
by yupukeccha | 2009-12-19 10:00 | 社会