大失敗 五輪招致ドンブリ勘定の呆れた実態
2009/10/23 10:00 日刊ゲンダイ失敗した東京五輪の招致活動に使われた巨額の税金。その使われ方は、やはり恐ろしいほどのドンブリ勘定だった。19日開かれた都議会の決算特別委員会で、都の招致本部・招致委員会と業者の癒着とも疑われる実態が明らかになった。
都税100億円、民間50億円からなる150億円の招致活動費のうち、イベント開催など招致機運盛り上げに全体の6割にあたる95億円が使われた。そのほとんどが一般競争入札ではなく、通常、専門性が問われる事業で利用される、随意契約や委託契約だったのだ。
東京都の62ある区市町村へは、そのうち12億4000万円が丸投げされ、1000万円を上限にPRイベントが行われた。
ある区ではメダリストを呼んで600人の体操教室が開かれた。予算は780万円。もちろん随意契約だ。この事業を請け負ったのは、なぜかその区から遠く離れた羽村市の従業員8人の代理店。それも専門はパチンコ・パチスロ広告だというから、冗談にもほどがある。区は「日本体操協会から紹介があった」と答えたという。
また、複数の区市町村から事業を請け負った業者が08年度分だけで8社あり、そのうち3社は招致委の事業も受託していた。つまり特定業者に仕事が集中していたのだ。
19日の委員会で都の招致本部参事は、「より効果的な方法となると、特定業者に傾くことがある。都は情報提供しただけで、紹介はしていない。五輪は物品や工事ではないので、競争入札はなじまない」と答弁した。いかにも苦し紛れだ。
質問に立った民主党の伊藤悠都議がこう憤る。
「五輪の開催そのものは特殊な機能が必要だとしても、招致イベントのようにトークショー、サッカー教室、講演会程度なら専門のイベント会社じゃなくてもいい。それがなぜ随意契約なのか」
委員会では、大手広告代理店が150億円の活動費のうちの35%にあたる53億円超の事業を受託し、ほぼ100%が随意契約だったことも明らかになった。
そもそも“機運盛り上げ”というあいまいなものに、これほどの大金が使われたことに疑問を感じざるをえないし、それが随意契約ばかりならなおさらだ。この問題、さらなる徹底追及が必要だ。
by yupukeccha | 2009-10-23 10:00 | 行政・公務員