「村が消えた、浜辺も家も水没した」サモア襲った津波
9月30日20時34分配信 産経新聞丘の上で打ち鳴らされる空き缶の金属音を頼りに人々は高台を求めて坂道を駆け上がった-。南太平洋のサモア諸島を29日早朝(日本時間30日未明)に襲った大地震と津波。かつてない大規模な揺れと100人以上の人々を飲み込むように打ち寄せた津波は、南海に浮かぶ楽園を壊滅の地へと一転させた。
米地質調査所(USGS)によると、震源地はサモアの首都アピアの南195キロで、震源の深さは18キロ。太平洋津波警報センターは、アピアや米領サモアのパゴパゴで高さ約1.6メートルの津波が押し寄せたとしており、米領サモアの公園管理者はAP通信に4~6メートルの津波が4回襲ったと話している。
停電と道路の寸断もあって被災状況の詳細はつかめていない。AP通信はサモアだけで少なくとも63人の死亡が確認されたとしており、全体の死者は113人にのぼったとの報道もある。
現地報道によると、大地震で混乱する海岸線を直後に津波が襲い、アピアでは多くの住宅が根こそぎ飲み込まれた。家族と漁船に逃げ込んだ男性は「村がなくなってしまった。美しい浜辺も邸宅もみな水没した」と英BBC放送(電子版)につぶやいた。
高台では若者が教会の鐘のように金属を打ち鳴らして避難場所を知らせた。別の男性は「津波がサモアの低地を奪った」とショックを隠せない様子で語った。
by yupukeccha | 2009-09-30 20:34 | アジア・大洋州