人気ブログランキング | 話題のタグを見る

タイ、モン族「難民」をラオスへ全員送還へ 弾圧懸念も

2009年9月13日9時18分 朝日新聞

タイ、モン族「難民」をラオスへ全員送還へ 弾圧懸念も_b0161323_144317.jpg 【バンコク=山本大輔】ラオス政府による「迫害」を訴えて04年以降、タイ北部に大量流入した少数民族モンの処遇をめぐり、両国の国防相が11日、キャンプにいる全員を年内に強制送還することで合意した。欧米諸国などは「難民」として保護するよう求めてきたが、両国は「不法入国者」との位置づけを変えなかった。人権団体などは送還後の弾圧を懸念しており、両国への批判が強まりそうだ。

タイ、モン族「難民」をラオスへ全員送還へ 弾圧懸念も_b0161323_1441779.jpg 合意文書によると、対象はタイ北部ペチャブン県フアイナムカオ村のキャンプにいる4700人。タイ政府は06年以降、17回にわたり3095人を送還しており、今回の合意で合わせて8千人近くが送還されることになる。再越境を防ぐ手段を共同で講じることでも一致した。

 ベトナム戦争時に米国に協力してラオスの共産主義勢力と戦ったモン族は、同国で75年に共産政権が発足すると弾圧の対象になった。多くは国外に逃れたが、一部は山間部で抗戦を継続。政府軍の攻勢が強まったことで、タイに集団流入したとされる。

 欧米諸国などは、送還すれば再び迫害の恐れがあるとして反対したが、タイ政府は経済的な困窮で流入した「経済難民」が多く、迫害についても「過去の話だ」としてラオス側と送還に向けた協議を進めてきた。

 ラオス政府は中部パラック村に住宅100戸を建設。モン族が暮らす他の村と合わせて受け入れ先とし、帰国者には1人30万キップ(約3200円)を渡して新生活を支援するという。政府の担当者は「モン族の恩赦は政府の方針だ。すでに送還された人で迫害にあった人間はいない」と話した。

 しかし、キャンプで医療ボランティアをしていたタイ人によると、今もキャンプに残るモン族には政府軍と戦った人が多く、「ラオス政府が最も敵視するグループ。弾圧の懸念は当然」と指摘する。

by yupukeccha | 2009-09-13 09:18 | アジア・大洋州  

<< 「夜食べると太る」は本当だった... 【邂逅 カルチャー時評】四方田... >>