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「10分1000円」に負けたカリスマ美容師

2009年07月31日10時00分 日刊ゲンダイ

 トンと耳にしなくなった「カリスマ美容師」。単にブームが去っただけかと思っていたら、さにあらず。彼らが働く美容室や理髪店がこの4、5年のうちにバンバン倒産していたのだ。

 民間調査大手の東京商工リサーチによると、総額1000万円以上の負債を抱えて倒産した美容室は、05年に50件を超すと、08年に71件、09年は半年間ですでに39件というハイペース。このままの勢いで倒産が続けば年間80件を上回る可能性がある。過去最悪の事態だ。

 ちなみに美容室ほどではないものの、理髪店の倒産も確実に増えている。いくら一世を風靡したカリスマ美容師とはいえ、あっちもこっちも店が潰れてしまえば仕事を失う。ブームが下火になるのは当然だ。

 カリスマ美容師を襲ったのは、格安理髪店の登場だという。「10分1000円」のヘアカットなどがそう。

 美容室経営者が話す。

「通常、1回の料金は女性で最低1万円以上、男性で3000~4000円です。ところが、格安理髪店が現れ、しかもチェーン展開したことであっという間に店舗が増えて値引き競争が激しくなりました」

 とくに首都圏の美容室は、渋谷、青山、表参道など若い女性の人気スポットに店を出すので賃料が高い上に、店の改装や最新設備への投資がかさむ。それでも、しばらくはガマンした。

「ところが、昨年初めの原油高に伴う燃料代など諸経費の高騰が致命傷でした。売上単価が下がっていたところに、思わぬコスト増が加わった。そして昨秋の大不況です。個人消費が一挙に冷え込みました。毎月来店していた方が2カ月に1回となり、客足が遠のいてしまったのです」(前出の美容室経営者)

 これで万事休す。カリスマ美容師は時代のあだ花だったということか。

by yupukeccha | 2009-07-31 10:00 | 社会  

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