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“遅れてきたチャンスの地”中国遼寧省 事業展開…熱視線

7月13日9時51分配信 産経新聞

 ベンチャーや中小企業の経営者ら120人が参加した日本企業家遼寧省視察団(団長、行徳哲男・日本BE研究所所長)が6月25~28日、中国遼寧省瀋陽(しんよう)、撫順(ぶじゅん)、鞍山(あんざん)、大連の各市を訪問し、開発中の工業地帯などを視察したほか、要人とも会談した。遼寧省、吉林省、黒竜江省からなる東北3省は「遅れてきた投資チャンスの地」と呼ばれる。世界不況の中でも勢いよく経済発展を続ける姿を目の当たりにした視察団は、将来のビジネス展開に意欲を示した。(小島清利)

 遼寧省の重点開発地域の一つ、大連長興島臨港工業区。当地に進出した世界第6位の造船会社、韓国STXの造船所や大規模な社員寮が目を引く。3年前までは荒れ果てた土地でしかなかった開発区が、工業都市へと変貌(へんぼう)を遂げている。

 「早く投資した人はたくさんもうかりますが、遅れて投資した人は少ししかもうかりません」。大連長興島臨港工業区招商二局の張慶忠副局長はセミナーの中で、同工業区への投資は中国投資の最後のチャンスであると強調した。

 中国政府からもバックアップを受けた同工業区では、今年に限り、生産企業が土地を借用する場合、国家が規定する土地価額全額を補助されるなど優遇措置は手厚い。伊藤忠商事や大陽日酸など日本の大手企業も進出を決めている。

 しかし、韓国では中小企業数十社が進出を決めているのに対し、日本の中小企業やベンチャーの出足は鈍い。日本の中小企業は長引く不況で、少ない投資で高い収益をあげることに専念してきた。このため「技術をメーンに売り込みたいが、中国側は資本を呼び込みたい」(建設関連ベンチャー)と双方の思惑に溝がある。

 とはいえ、高成長を続ける東北3省が魅力ある投資先であることに変わりはない。特に遼寧省は、東北3省の中で最も発展した地域だ。

 中国・鉄鋼発祥の地で「鉄鋼の都」と呼ばれる鞍山市は、工業・商業都市としても成長しようと開発を急いでいる。市の担当者は「開発中の大型ショッピングモールにはスウェーデンの家具販売会社『IKEA』の入居が決まっている」と胸を張る。

 同市では今年1~5月の全市域内の国内総生産(GDP)成長率が18・5%となったといい、世界同時不況にもかかわらず、前年の成長率13・8%を上回る勢いで成長している。谷春立市長は「鞍山市は将来必ず中核都市に発展する」と自信を示した。

 日本経営合理化協会の熊谷聖一専務理事は視察団を代表したあいさつの中で、「これからビジネスのやり方を研究し、いつの日か、事業を展開したいと考えている」と述べた。

by yupukeccha | 2009-07-13 09:51 | アジア・大洋州  

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