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GM破綻、米政府が発表 破産法申請「国有化」で再建へ

2009年6月1日11時0分 朝日新聞

 【ワシントン=尾形聡彦、ニューヨーク=山川一基、丸石伸一】米政府は31日、経営危機に陥っていた米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)は6月1日に、日本の民事再生法にあたる米連邦破産法11条の適用を申請し、経営破綻(はたん)すると発表した。今後も操業を続けながら、経営改革して再建を目指す。新生GMの株式の約6割は米政府が取得。米国や世界の産業界を代表する企業だったGMが「国有化」され、立て直しを目指す異例の事態になった。

 オバマ米大統領は1日昼に声明を発表する。GMのフレデリック・ヘンダーソン最高経営責任者(CEO)はその直後に会見を開く。

 GMの資産規模は3月末時点で822億ドル(約7兆8千億円)。これまで破産法を申請した米製造業では過去最大で、金融業を含む米企業全体でも史上4番目の規模の倒産になる。

 米自動車業界では4月末のクライスラーに続く破産法申請で、大手3社「ビッグ3」のうち2社が経営破綻に追い込まれた。米新車販売の急減が続けば、3社の中で唯一、米政府支援を受けなかったフォード・モーターも救済を仰ぐ事態に陥る恐れもある。

 GMは今後、裁判所の管理下で、シボレーなどの主力ブランドや優良資産を受け継ぐ「新GM」と、不採算事業などを引き継ぐ「旧GM」に分離。新GMは債務や系列販売店の削減を進め、債務超過状態を解消し、60日から90日で、破産法下から脱却したい考えだ。旧GMは資産売却などを進めて清算する。

 政府の計画では、米政府が301億ドル(約2兆8600億円)を追加融資。これまで供与した資金と合わせ、GMへの税金の投入額は総額約500億ドル(約4兆7千500億円)にのぼる。またカナダ政府とオンタリオ州政府も95億ドルを融資し、12%の新GM株を取得する。

 米政府が保有することになるGM株について、米政府高官は31日、「政府が求めたものでも要望したものでもなく、再建の過程で必要になっただけだ」と強調した。

 一方、全米自動車労組(UAW)の退職者向け医療基金は新GM株を17.5%、無担保社債を持つ債権者は10%をそれぞれ受け取る見通し。さらにUAWは2.5%分の株式を、債権者は15%分の株式を追加取得できる権利も受ける。30日までの事前交渉の結果、UAWは再建策に合意。債権者も、債権額で54%の無担保社債保有者が合意した。

 加えてUAWからの要請を受け、新GMは米国内での生産比率を現在の66%から70%に上げることも約束した。

 GMは1931年、自動車の大衆化に道を開いたフォードから販売首位の座を奪って以来、米最大メーカーとして君臨。90年代後半までは、世界最大の新車市場の米国で販売シェア30%超を保っていた。しかしその後、燃費効率が悪い大型車の比率が高いことがあだとなり、日本メーカーなどの攻勢やガソリン高でシェアを失い、長期的な販売低迷に陥った。

 08年は米新車販売台数が前年より20%超も減り、全米でのシェアは22%台まで低下。退職者向けの年金や福利厚生などが手厚く、一人当たりの労務コストが日系メーカーなどと比べ高いことも響き、資金繰りに行き詰まった。

 GMは米政府から昨年12月、総額134億ドル(約1兆2700億円)の資金融資を受けていったんは破綻を免れた。だが、その後も販売減に歯止めがかからず、166億ドル(約1兆5700億円)の追加支援を要請。米政府から支援継続の条件として、5月末までに抜本的なリストラをまとめることを求められたが、自力では債権者らとの交渉をまとめられなかった。

by yupukeccha | 2009-06-01 11:00 | 経済・企業  

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